2児の母で、ファイナンシャルプランナー(CFP)認定者のソダマネです!
「夫婦財布別だけど、出産後も財布別で大丈夫なのかな……?」
とお困りではありませんか?
私自身、2度の育休を経験しましたが、その間もずっと財布別でした。
産休、育休中は給料の代わりに給付金などが出ますが、働いていた時と比べると自分に入ってくるお金は少なくなります。
それなのに、子育て費用がかかったり、将来の教育費のために貯金を始めたり、出ていくお金は増える一方です。
結論をいうと、妻の赤字が続くのであれば、夫婦財布別を続けるのは難しいです。
本記事では、
・出産後も夫婦財布別が続けられるのか
・財布別を続ける場合に話しあっておくポイント
・財布別を辞める場合に、どんな家計管理にするか
を明らかにします。
夫婦で話し合っても結論が出ない!という方は、お金のプロに相談するのも手です。
第三者の意見を聞くと、夫婦で冷静に話し合えます!
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では、出産後の家計管理について解説していきます。
前提を確認!夫婦財布別とは
例えば、生活費のうち固定費は夫、変動費は妻といったように項目別に分担します。
生活費に使わなかったお金は自由に使えるので、独身時代に近いお金の使い方ができるというメリットがあります。
その一方で、お互いのお金の使い方がわからないというデメリットがあります。
出産後も財布別を続けられる場合
妻が会社員の場合、産休中、育休中は基本的に給料やボーナスは出ません。
その代わり、妊娠、出産、育児で会社を休むと雇用保険や健康保険から給料の5~7割に相当する「出産手当金」と「育児休業給付金」が出ます。
これらの手当金や給付金は非課税で受け取れるほか、産休・育休中は社会保険料が免除されます。そのため、実際に使えるお金は意外と多いと思われるかもしれません。
実際に私が手当・給付金を受け取った時は、「案外たくさんお金が出るんだ!」と思いました。
出産手当金
出産手当金は出産のために会社を休んだ時(産休中)に受け取れるお金です。出産予定日を含む産前42日から産後56日までの範囲で、会社から給料の支払いを受けていない場合に、勤務先の健康保険組合から支給されます。
支払われる額は、仕事を休む前の日給のおよそ3分の2になります。詳しくは以下のようになります。
例を挙げたいと思います。
例えば、産休を最大で取得した場合、98日間になります。支給開始以前の継続した12か月間の各月の標準報酬月額を平均した額が27万円だとすると、
出産手当金=27万円÷30日×2/3×98日=58.8万円
出産手当金は、出産後申請をしてから1~2か月ほどで振り込まれます。
育児休業給付金
育児休業給付金は、1歳未満の子供を養育するための育児休業(育休)を取得した場合に、雇用保険から受け取れるお金です。産休後から子供が1歳になるまで(最大2歳になるまで)支給されます。
支払われる額は、産休後から6か月間(180日)は休業開始時賃金の日給の67%、6か月経過後(181日以降)は50%です。詳しくは以下の通りです。
例えば、子供が1歳になるまで育休を取得した場合を考えてみます。休業開始時賃金日額×支給日数(30日)を27万円と仮定します。
・育休開始から180日目までの1か月あたりの給付金
育児休業給付金=27万円×67%=18万900円
・181日目以降の1か月あたりの給付金
育児休業給付金=27万円×50%=13万5000円
育児休業給付金合計=(18万900円×6か月)+(13万5000円×約4か月)=162.54万円
育児休業給付金は2か月ごとに申請をして2か月分まとめて受け取ります。初めに受け取れるのは育休に入ってから3か月後ほどです。
育休で休んだ実績を確認してから給付金が支払われるので、給付金を受け取るまでに時間がかかります。
・育休開始から半年は給料の67%が受け取れる
・その後半年~こどもが1歳(最大2歳)になるまでは、給料の50%が支払われる
・育休開始後3か月後に支払われる
このように、産休・育休中は、妻に入ってくるお金が勤務時の5~7割になるだけでなく、お金が振り込まれる時期も毎月ではなくなります。
また、初めてお金(出産手当)を受け取れるのは出産の1~2か月後になります。
そのため、夫婦財布別を維持するには、給付金が入ってこない期間は妻の貯金を切り崩すことになります。その後、給付金が入ってきたら、切り崩した貯金分を補てんして生活していきます。
・給付金が出るまで1,2か月は貯金を切り崩すことになる
財布別を続けるのが難しい場合
次の2つの場合は、財布別を続けるのは難しいです。
①妻が毎月赤字になる場合
妻が支払っている生活費が1か月あたりの給付金よりも多くなる場合です。
毎月赤字になり、貯金を切り崩しても補てんができません。
妻の貯金を切り崩すようになったら、夫婦財布別の家計管理は崩壊しています。
ただ、妻が赤字にならないように節約してやりくりしたり、妻の生活費の支払い項目を減らしたりすれば、夫婦財布別は維持できる可能性は残ります。
②妻にお金が入ってこなくなる場合
育休中に妻が給付金を受け取れなくなる期間がある場合です。
会社によっては、育休を子供が3歳になるまで取得できることがあります。ですがその場合でも、育児休業給付金は最長子供が2歳になるまでしか延長できません。
つまり、子供が2歳から3歳になるまでの1年間は、妻にはお金が入ってこなくなります。
お金の入りがないのに、夫婦財布別を続けるのはさすがに無理があります。
財布別を続ける場合に確認していくこと
「出産後も夫婦財布別を続けられそう!」と思われた方でも、子供ができて今までとは環境が変わったはずです。財布別を続ける場合に、夫婦で話し合ってほしいことが3つあります。
財布別を辞めたい気持ちが強い場合は、次の章にお進みください。
②子育て費用はどうするか
③今後、財布別を辞めることは可能か
①生活費の分担に無理はないか
財布別の夫婦は、生活費を項目別で分けていることが多いと思います。
その場合、出産後の生活費の変化と妻のお金の入りの減少を踏まえて、生活費の項目の分け方が平等になっているのか確認してみてください。
ただ、実際に生活を送らないと生活費の分担に無理がないかはわかりません。
生活をしながら徐々に分担を調整していくのが現実的だと思います。
生活費をどれだけ負担しているのかを明確にするために、家計簿を付けるのがおすすめです。生活費の分担を話し合う時に、数字で見えたほうがお互いの納得度も高まります。
②子育て費用はどうするか
出産後も財布別を続ける場合、子育て費用をどこから出すのか決める必要があります。子育て費用とは、おむつやミルクなど育児をする上でかかるお金のことです。
おむつは日用品代、ミルクは食費から出してもいいですが、子育て費用は毎月1万円~2万円になることもあります。結構な負担になるので、生活費を項目別で分けているなら、出産後の生活費の変化に合わせて生活費の項目の分け方が平等になっているのか確認してみてください。
他の方法としては、今後子供の保育園代や学費がかかることを見据えて、子育て費用専用の口座を作るのもおすすめです。夫婦で決まった額を子育て費用口座に入れて、子育て関連の費用はこの口座から出します。
例えば、おむつやミルク、保育園代、学費などを支払います。併せてクレジットカードを作っておいて、子育て費用の口座を引き落とし口座にしておけば、子供の買い物がしやすくなります。
うちの場合は、子育て費用口座に毎年25万円ずつ(合計で50万円)をお互いに入金しています。クレジットカードを使うことを考えて、楽天銀行の口座にしました。おむつ代、おもちゃ代は子育て費用口座から出します。
③今後、財布別を辞めることは可能か
育休後、妻が仕事を復帰しても時短勤務で思うように稼げなかったり、今後子供が増えてまた産休育休を取ったりするかもしれません。すると、妻のお金の入りは不安定になります。
今は財布別を維持できますが、いずれ財布別を続けていくのが厳しくなる可能性は大いに考えられます。
妻が財布別を辞めたいと思っていても、夫が反対するケースもあります。
なぜなら、夫が自由に使えるお金が減ることを恐れるがあまり、他の家計管理方法に変更したくないからです。
今後、財布別を辞める可能性も考えて、「こういう場合は財布別を辞める」という線引きを夫婦で一度話し合っておくと良いです。いざ、他の家計管理方法に変更するときにスムーズに変更できます。
財布別を辞めるタイミングは、妻のお金が入ってこなくなったり、収入差が開いてきたりした時です。
財布別をやめるなら、どんな家計管理方法にするか
出産を機に、財布別を辞めても良いと思います。
今後、妻が仕事を復帰しても時短勤務で思うように稼げなかったり、子供が増えてまた産休育休を取ったりすると、妻のお金の入りが不安定になるからです。
いずれ財布別を辞めるなら、早めに辞めて他の家計管理に慣れたほうが気持ち的にも楽だと思います。
では、財布別をやめるなら、どんな家計管理方法にすればよいのでしょうか。
ここでは、2つ紹介します。
①入ってきたお金を一つの口座にまとめる
②夫の収入から生活費を出して、妻のお金は貯蓄
①入ってきたお金を一つの口座にまとめる
夫婦で財布を1つにする方法です。夫か妻で家計管理が得意な方がお金を管理し、もう一方は管理を見届けます。お金が入ってきたら、夫婦どちらか1人の口座にお金をまとめ、そこから生活費を出します。
生活費の口座を新しく作っても良いと思います。しかし、日本の銀行は共有口座が作れないので、名義は夫婦どちらかの名義になります。
また、貯金ができるように、貯金用口座を別に作って、決まった額を先どり貯金しておくと良いです。
お互いが自由に使えるお金はお小遣いになります。1人あたり3万円などと金額を決めておくと、お金の使いすぎを防げます。
②夫の収入から生活費を出して、妻のお金は貯蓄
妻のお金の入りが不安定になるので、夫の収入から生活費を出します。妻の収入は夫婦の将来のための貯蓄として貯金しておきます。この家計管理の場合も、夫か妻で家計管理が得意な方がお金を管理し、もう一方は管理を見届けます。
ポイントは、生活費に使わなかったお金を夫の自由に使えるお金にしないことです。夫婦どちらともお小遣い制にして、口座から出ていくお金を明確にします。また、夫の収入も先どり貯金をしておくと、早くお金が貯まります。
①と②のどちらの方法であっても、自分に入ってきたお金は夫婦のお金であって、自分だけのお金ではないという認識を夫婦で持つ必要があります。
共働き夫婦の家計管理の方法については、次の記事で詳しく書いています。あわせてお読みください。
また、夫婦財布別での貯金方法が気になる方は、次の記事で詳しく書いています。
出産を機に家計管理について見直そう
夫婦財布別の家計管理はお互いにお金を管理できるので、ストレスが少ないです。その代わり、出産などでどちらかの収入が不安定になった場合には、続けるのが難しくなることがあります。
出産後、財布別を続ける場合も、辞める場合も、夫婦でよく話し合い、お互いが納得する家計管理方法を選択するのが良いです。
このサイトでは、お金に関わる不安を解決するためのヒントとなる記事を書いていきます。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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